研究・学会発表
修復事例報告/ベニア板に描かれた油画の修復
アーカイバルフォームボードを用いた支持体の補強
アーカイバルフォームボードを用いた支持体の補強
近代より、現代に至る絵画では、カンバス絵画とならび積層状に単板を接着した、いわゆるベニア板に描かれた絵画の作例は少なくない。(以下ベニア板と記す)
ベニア板は経年により、使用された接着剤の劣化、酸化に伴い、単板の剥離や浮き上がり等の現象が現れてくることが多く報告されている。今回の発表では、昭和に活躍した画家、小山田次郎のベニア板に描かれた作品に対し、さまざまな処方の中から支持体にハニカムを代用する修復方法を試みた。
今回は、修復後に将来施されるであろう可逆的な処置が、より容易で安全に処置されるべきという考えに基づき、紙製のフォームボード「5mm以上の厚みを備え、天然鉱物の作品から、または外部からの悪性のガスを吸収し、外部に放出しない活性化作用を持つマイクロチャンバー性能を有している。」を併設する方法を実践した。作品を安全に保存すること、さらに将来オリジナル部分以外を安全に取り除くために、補強用のハニカム板との間にフォームボードを挟み、より容易に、可逆的な可能になるように工夫した。
本発表では、これらのベニア板に対する補強方法に加え、実際にパネルを剥がしアーカイバルフォームボードを解体する作業の実例について述べる。
ベニア板は経年により、使用された接着剤の劣化、酸化に伴い、単板の剥離や浮き上がり等の現象が現れてくることが多く報告されている。今回の発表では、昭和に活躍した画家、小山田次郎のベニア板に描かれた作品に対し、さまざまな処方の中から支持体にハニカムを代用する修復方法を試みた。
今回は、修復後に将来施されるであろう可逆的な処置が、より容易で安全に処置されるべきという考えに基づき、紙製のフォームボード「5mm以上の厚みを備え、天然鉱物の作品から、または外部からの悪性のガスを吸収し、外部に放出しない活性化作用を持つマイクロチャンバー性能を有している。」を併設する方法を実践した。作品を安全に保存すること、さらに将来オリジナル部分以外を安全に取り除くために、補強用のハニカム板との間にフォームボードを挟み、より容易に、可逆的な可能になるように工夫した。
本発表では、これらのベニア板に対する補強方法に加え、実際にパネルを剥がしアーカイバルフォームボードを解体する作業の実例について述べる。
(文化財保存修復学会2003年第25回大会にて)