研究・学会発表
住友資料館収蔵作品調査報告VOL.1
黒田清輝作「幼児像」の光学調査と修復
黒田清輝作「幼児像」の光学調査と修復
東京都足立区において光琳、乾山等の日本画をはじめ、幕末から昭和の洋画も含まれる、数千点にもおよぶ美術品の収集と研究をおこなっている住友資料館がある。このたび同資料館が新たに作品の展示を目的とした「住友ミュージアム」が栃木県矢板市に開設され、展示する作品の調査と修復をおこなうこととなった。今回は、黒田清輝の描いた「幼児像」の調査結果の報告をおこなう。
本論で記す、黒田の描いた幼児の図は、黒田の幼少期の写真をもとに、自ら描いたと伝えられている。描かれている幼児の顔は、黒田本人の面影を彷彿とさせる。今回の研究結果では、X線の観察で読み取れる描画の痕跡や、クロスセクションかは「紫は」等に見られるような橙色や紫色などの明るい彩色が確認できた。
本論で記す、黒田の描いた幼児の図は、黒田の幼少期の写真をもとに、自ら描いたと伝えられている。描かれている幼児の顔は、黒田本人の面影を彷彿とさせる。今回の研究結果では、X線の観察で読み取れる描画の痕跡や、クロスセクションかは「紫は」等に見られるような橙色や紫色などの明るい彩色が確認できた。
(文化財保存修復学会2006年第28回大会にて)