研究・学会発表
住友資料館収蔵作品調査報告VOL.2
[幕末〜明治期・絹に描かれた油画の技法]
[幕末〜明治期・絹に描かれた油画の技法]
平成16年より開始した東京都足立区の住友資料館の収蔵作品の調査と修復を本年度も継続している。
今回の調査対象となった当該作品は、裏打ちされており、作者不詳、絹に描かれた絵具の非常に薄塗りの作品であり、幕末から明治期に制作された老婦人像と伝えられている。今回の発表では、肉眼による観察をはじめ、光学的な手法による観察や分析により、絵具の使用法の原則や描画の痕跡を観察する。日本画で用いられるような絹という非常に薄い支持体を油画の材料として用いたこの作品は、観察の結果、伝統的な西洋の技法に準じて絵具を使用していることがわかった。また、巧妙に描かれたこの肖像画は、我が国において描かれた物であるならば、西洋から伝わっていた油画技法のありようを知る資料になる。
住友資料館では、歴史上に名のある、無しにかかわらず、多くの作家の作品や情報を収蔵し、継承することを目的としており、このような基礎的な資料を蓄積することにより、我が国の技法史、材料史または美術史にも貢献するものと考えている。
今回の調査対象となった当該作品は、裏打ちされており、作者不詳、絹に描かれた絵具の非常に薄塗りの作品であり、幕末から明治期に制作された老婦人像と伝えられている。今回の発表では、肉眼による観察をはじめ、光学的な手法による観察や分析により、絵具の使用法の原則や描画の痕跡を観察する。日本画で用いられるような絹という非常に薄い支持体を油画の材料として用いたこの作品は、観察の結果、伝統的な西洋の技法に準じて絵具を使用していることがわかった。また、巧妙に描かれたこの肖像画は、我が国において描かれた物であるならば、西洋から伝わっていた油画技法のありようを知る資料になる。
住友資料館では、歴史上に名のある、無しにかかわらず、多くの作家の作品や情報を収蔵し、継承することを目的としており、このような基礎的な資料を蓄積することにより、我が国の技法史、材料史または美術史にも貢献するものと考えている。
(文化財保存修復学会2007年第29回大会にて)